塗装工程ではさまざまな測定や検査を行いますが、おそらく最も重要なものは乾燥膜厚でしょう。 その値によって、下地の寿命、製品の本来の目的への適合性、外観に関する情報が得られるだけでなく、膜厚自体を各種規格に準拠させなければなりません。
膜厚に関連する規格(ISO 9000やISO 17025、ISO Guide 25など)によって、膜厚計を正しく管理、記録、校正しなければならないことが定められています。 国内の規格に従って履歴管理できる膜厚計をお求めのお客様が増えています。
標準フォイル(シム)は、下地の材質、表面の仕上げや形状に応じて膜厚の基準を定める最も便利な方法です。 正確な測定値が得られるように膜厚計を校正するときに、この標準フォイルを使用します。しかし、塗装前の素地が手に入りにくい場合もあります。膜厚計の機能のテストと校正には、塗装済みの標準板かゼロ点調整板を標準フォイルのセットとともに使用します。 家電製品がまだ普及していなかった1947年、Elcometerは、世界初の非破壊型膜厚計「Elcometer 101」を発表しました。 それから60余年、この信頼性と耐久性の高い膜厚計の設計と品質は、当社製品の基盤となり、企業理念として生き続けています。 乾燥膜厚の測定は、塗料業界にとって不可欠です。その方法は、以下の3通りあります。
電磁誘導式・渦電流式(デジタル式)
一般的に使用されている方式で、以下の3種類があります。
1. 鉄、鋼などの磁性金属の上に被覆された非磁性膜の厚さを測定する電磁誘導式
2. 非磁性金属の上に被覆された絶縁膜の厚さを測定する渦電流式
3. これら2方式を合わせ持つデュアル式
全て非破壊方式で±1μm程度の精度で分解能0.1μmの能力を持ちます。
塗装、メッキ、ライニングなど幅広い分野で使用されています。
(該当商品:
456膜厚計、
456一体型膜厚計、
456セパレート型膜厚計、
456膜厚計用プローブ、
415ペンキ&粉体塗料膜厚計、
311自動車再塗装用膜厚計、
355膜厚計)
磁石式(機械式)
鉄・鋼などの磁性金属の上に被覆された非磁性膜の厚さを測定する方式です。 一般的に電池などの電源を使わず、皮膜の厚さに比例して磁石の吸着力が変わることを利用し測定します。 精度は若干落ちますが、小型・軽量で重宝されています。 (該当商品: 211膜厚計、 101膜厚計、 157膜厚計)
カット式(破壊式)
全ての素材の上の皮膜の厚さを測定可能な方式で、プラスチックやガラス上の皮膜の測定などに有効です。 付属の4mm角位のV型カッターで下地素材に届くまで皮膜面をV溝状に傷つけ、その皮膜斜面を拡大スコープで読み取ります。 1目盛り2μm位までの読み取りが可能です。 (該当商品: 195セイバーグドリル、 141ペイントインスペクションゲージ、 121/4ペイントインスペクションゲージ、 126 & 3240乾燥・ウェットフィルム膜厚計)
測定値のデータ処理について
近年、造船業界を中心にIMO(国際海事機関)塗装性能基準(PSPC)の規格化が決議されました。 正確な乾燥膜厚の検証制度が規定され、その他、船舶建造時の各段階において、 温度、相対湿度および露点の計測、表面の粗さおよび塩分管理が要求されています。 特に膜厚についてはPSPC90/10ルールを設け、測定点の90%以上はNDFT(公証乾燥膜厚)以上であり、 かつ残りの10%の測定点は0.9×NDFTを下回らないことが規定されています。 エルコメーターの電磁誘導式膜厚計456シリーズは、これらの機能を装備した唯一の膜厚計であり、世界中で使用されています。 さらに、要請される測定値が十数万点に及ぶため、データ管理用のツールとして、 エクセルソフト(スタンダード、トップタイプに付属)、エルコシップソフト(別売)をご用意しています。



